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2007年3月 7日 (水)

化学用語(2007/03/07 No3)

●タンパク質 [protein]
生細胞の主要な成分をなす,窒素をふくむ有機高分子物質.生体の重要な構成成分であるとともに,酵素,ホルモンなど生理活性物質およびその母体として,生命現象にきわめて深い結びつきをもっている.動物の3大栄養の1つ.タンパク(蛋白)は元来卵の白身を意味し,ドイツ語(Eiweiss)の訳に当てたものである.L‐α‐アミノ酸どうしが,そのアミノ基とカルボキシ基との間の脱水で重縮合したものをポリペプチド(polypeptide)という.厳密な規則はないが,ポリペプチドで構成される高分子のうち,分子量1万以上のものをタンパク質といい,それ以下のものは_ペプチドという.ポリペプチド鎖の一端には当然遊離のアミノ基が,他端には遊離のカルボキシ基があるから,前者をアミノ末端,NH2末端,N末端などとよび,後者をカルボキシル末端,COOH末端,C末端などとよぶ.N末端からC末端に至るアミノ酸の配列のことをタンパク質の1次構造とよんでいる(see アミノ酸配列).タンパク質のポリペプチド鎖は,遺伝子の指令にもとづいて,N末端からC末端の方へ順次アミノ酸が付加して生合成されるから,1次構造はそれぞれのタンパク質について決まっている.ただし,リボソーム上で合成されたポリペプチド鎖はその後,限定分解をうけたり,リン酸,糖などによる修飾(see 化学修飾)をうけた後はじめて機能発現をするタンパク質分子となるものもある.ポリペプチド鎖はその1次構造により局所的な折りたたみなど構造の変化をおこし,タンパク質の高次構造を形成する.酵素をはじめ種々のタンパク質がそれぞれの機能を発現するのは,高次構造の形成による.ペプチド鎖を切断することなく高次構造を破壊することをタンパク質の変性(denaturation of protein)というが,変性はほとんどタンパク質の失活を伴う.タンパク質の種類によってはポリペプチド鎖が他の成分と複合体を作ることにより,機能の発現をみる場合がある.これらを複合タンパク質と総称し,その成分の種類によって,核タンパク質,糖タンパク質,リポタンパク質,リンタンパク質などに分類する.タンパク質分子の表面に分布するアミノ酸側鎖の種類および分布状態により,水や塩溶液への溶解度,等電点,イオン交換樹脂に対する吸着度などに違いを生じる.これらの性質を利用し,さらに分子の大きさでふるい分けるゲル濾過法などを組み合わせると,タンパク質を分離精製できる.

●キナーゼ [kinase]
リン酸基を転移する酵素のうち,アデノシン三リン酸からリン酸を酸素,窒素,硫黄などに転移する酵素の総称.EC2.7群.解糖過程におけるホスホグリセリン酸キナーゼなどのような代謝経路上の重要な酵素のほか,プロテインキナーゼ類のように代謝調節上の重要な酵素が含まれる.

●プロテインキナーゼ [protein kinase]
タンパク質リン酸化酵素ともいう.EC2.7.1.37.ヌクレオシド三リン酸(主にATP)をリン酸供与体とし,そのγ‐リン酸基をタンパク質のセリン,トレオニン,あるいはチロシン残基のヒドロキシ基に転移する酵素の総称.主にホルモンや神経刺激などの外界からの刺激に応じて,代謝の律速酵素などをリン酸化し,それらの機能や活性を変化させて,細胞の応答を発現する信号伝達のはたらきをしている.これらの酵素は活性化物質の種類によって,サイクリックAMP依存性プロテインキナーゼ(A‐キナーゼ),カルモジュリン依存‐カルシウム依存性プロテインキナーゼ,カルモジュリン非依存‐カルシウム依存性プロテインキナーゼ(C‐キナーゼ),サイクリックGMP依存性プロテインキナーゼ(G‐キナーゼ)などに分類される.また多くのRNA腫瘍ウイルスの発がん遺伝子産物や増殖因子のレセプターは,チロシン残基をリン酸化するチロシンキナーゼである.

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